読書感想文 – 「読書の腕前」

人間関係に悩んでいる方、本に興味がある方に薦めたい

こんにちは!じゅんです。

岡崎武志さんの著書「読書の腕前」(光文社知恵の森文庫)は、数年前に読みとても感銘を受けた本。

 

私はこの本きっかけに、岡崎さんの他の著書にまで手を出すようになりました。(10冊以上買って半分以上は読了しています)

このサイトの読者さんの中には、岡崎武志さんをご存じではない方もいらっしゃると思います。

軽く紹介すると、フリーライター・書評家として活動されている方なのです。

特に「読書」や「古本」に関する著書が多く、本への並々ならぬ情熱を持っておられる方。

この「読書の腕前」は、岡崎さんの代表作と言えるもので、読書・古本の楽しみを凝縮させたような一冊になっています。

読書の入り口として最適な本だと自信を持って言えます。

帯に、又吉直樹さんのコメントが書かれてるのも注目ですね。

本をもっと好きになりたいと思っている方は、この本を読むことで、さらに本のことを知りたいと思えるようになります。

特に、人間関係で悩んでいる方に読んでいただきたい本だと、私は思っています。

 

「本」は内気な自分を受け入れてくれる唯一のもの

本文に私の大好きな箇所があります。

p.214

「引きこもり」人口は八十万とも百万とも言われているが、そのうち一人でも多く、読書の喜びに目覚めてほしい。さまざまな理由があって、一概には言えないだろうけど、人間関係や社会を拒絶して、世の中を生きにくいと考えている人は、みな読書人の素質を持っているからだ。

 

私はこの文章を読んだときに、なんと夢のある文章なんだと思いました。

私は人付き合いが苦手で、生きていく中でそれを改善しようと頑張りましたが、やはり根っこの部分は変わらず、落ち込んでいました。

しかし、私の勝手な解釈かもしれませんが、本の世界では内気な自分を認めてもらえる気がしたのです。

一人でいることが好きで、あまり人とは関わりたくない、もちろんそれはあまり褒められたことではないですが、本はそんな私とも関わってくれると感じれるようになったのです。

人付き合いが苦手な人というのは、自分を表に出し主張することが苦手な人に多く、そういう人はたいてい聞き上手です。

本を読むという行為は相手の話を聞くということと同じですから、本を読むのに適しているといえるかもしれません。

人間関係に悩んでいる方は、本の世界に入ってみましょう!

 

photo by Pexles

 

悪い本の魅力

この本にとても共感した箇所があります。

p.213

しかし、ヘレン・ケラーや野口英世の伝記といった、親や教師が薦める「良い本」よりも、「悪い本」のほうが記憶に強く残っているし、与えられた影響も大きい。ここに読書のおもしろさがある。

 

私はこの文章を読んで、高校の頃に読んだ、とある文学作品のことを思い浮かべました。

その作品は、高校の授業で扱うにはなかなか賛否両論がありそうな作品。

先生はその授業の初めに、物語の結末を説明したのです。

今まで先にネタバレされるなんてことがなかったので、非常に驚いたのと同時に、その悲しい結末にひどく魅せられてしまったのを覚えています。

そして、授業そっちのけで、その作品を夢中に読み漁っていました。

授業の進む速度が遅すぎると感じるぐらいでしたので、よほど集中力だったのでしょう。

気づいたら、その時の期末テストはほとんど勉強せず90点越えです。

その時の経験が、今の私の読書スタイルに大きな影響を与えています。

 

さいごに~岡崎さんの名著紹介~

岡崎武志さんの「読書」・「古本」に関する著書は、

・古本道入門 – 買うたのしみ、売るよろこび(中公文庫)

・読書で見つけたこころに効く「名言・名セリフ」(知恵の森文庫)

・女子の古本屋(ちくま文庫)

などもあるので、「読書の腕前」を面白いと感じたらこちらもおすすめです。

どちらも読書欲を刺激してくれる素晴らしい本なので、まだ読まれていない方はぜひ読んでみてください。

 

 

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