学生時代の記憶 – 「花祭」- 安岡章太郎

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実家の本棚から

こんにちは!じゅんです。

本日は、実家にホコリをかぶって置いてあった本、安岡章太郎さんの「花祭」(新潮社)を読みました。

黄土色の函に入っていて、白をベースとした水彩画が表紙となっているところが、とてもおしゃれです。

著者の安岡章太郎さんは、遠藤周作さんや吉行淳之介さんらと共に「第3の新人」と呼ばれご活躍された小説家さんで、「悪い仲間」・「陰気な愉しみ」で芥川賞を受賞されています。

私は、エッセイ「とちり虫」を読んだことがきっかけで、安岡さんの世界観が大好きになり、今回「花祭」を読むに至りました。

「花祭」は、中学生の主人公の「僕」が、思春期特有の異性への関心をうまくコントロール出来ず、思い悩みながらも生活を続ける様子を赤裸々に描いたものです。

私はこの本を、自分の学生時代はどうだったかなと思いながら読みました。

しゃべり方が面白い先生

私は中学生の頃、週に2回ほど塾に通っていました。

自主的に通いたいと思ったわけではなく、親に行けと言われため渋々通っていたのを覚えています。

私はその塾に中学卒業まで通いましたが、親が期待していたような結果を出すことは出来ませんでした。

私自身やる気がなかったということもありますが、元々誰かに何かを教えてもらうということがあまり好きでなかったのが大きいと思います。

そんな良い思い出がない塾通いですが、一つ大きく印象に残った出来事がありました。

あるクラスで授業を受けている時に、新しい講師の先生がとても面白いしゃべり方をする先生だったのです。

どんなしゃべり方をしていたのかを思い出せないのですが、とにかくツボに入ってしまい、笑いを堪えるのに必死でした。

「花祭」の文中にも、そんな面白い先生が登場します。

p.20

ドナらない教師はフシをつけて歌うようにやる。数学のS先生がそうだ。「ニンイの半径で弧をえがき、直線とエンでマジワラしめ、」と、竹の棒をふりふり背のびして黒板を叩きながら、拍子をとっている。おかげでこちらは何を言われても「タンタカ、タンタカ、タカタカタン」としか聞こえない。

この文章を読んだ時に、思わず塾でのことを思い出してしまいました。

懐かしさを感じると同時に、塾の先生には申し訳ないことをしてしまったという気持ちになりました。

先生は真剣にやっているのに、それを笑うなんて失礼ですよね。

そういうことが今になってようやく分かり始めたという事は、少しは私も成長したのかもしれません。

あの先生は今頃、どうしてるだろうか。

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