囲碁

囲碁『石の下』詰碁に衝撃!俗筋かと思いきや・・・

読者は囲碁の『石の下』という言葉をご存じだろうか。

私は石の下の意味する形は知っていたのだが、それにこのような名前がついていることは知らなかった。

最近、詰碁にハマっていて、この石の下を扱った面白い詰碁を見つけたので紹介する。

 

引用

本:『棋力アップ しなやか詰碁』 佐藤直人 誠文堂新光社

ページ:36ページ61問

内容:石の下

 

引用:『棋力アップ しなやか詰碁』 佐藤直人 誠文堂新光社 36p61問

これが詰碁の問題。

有段者クラスならどこが最初のキーポイントになるかまでは分かると思う。

私は残念ながら次のキーポイントである3手目が思いつかず途中で答えを見てしまった。

これより下は解答を示すので自力で解きたい方はスクロールせずに考えてみてほしい。

 

 

 

⇩    ⇩    ⇩

 

 

石ノ下詰碁解説

解答図1

最初のキーポイントはこのコスミツケ。

これの何が良いかというと、

黒2子を抱え込んで一眼を作っている白を、黒がもう一手加えることで眼をなくすことが出来るのだ。

そしてもう一つメリットは、白を『石の下』の形に持っていくことが出来ること。

 

解答図2

白2と2子をとるのは、同じ場所を黒に打たれた場合、白に眼がなくなるから(後で示す)。

この問題において一番難しいのが、黒3という普通だったらありえない一手を打っていること。

白4と打たれて何のメリットもなくただ遮られているように見えるので、まず選択肢にすら入らない。

しかし、実は右下の白3子がダメが詰まっていることから、その後に黒5と切ることで異様な効力を発揮する手となる。

 

解答図3

前図の黒5に続いて、黒7が石の下にするための手筋。

当然この後、白は黒の4子をとることになるが・・・

 

解答図4

白8と黒4子をとった後、なんと黒9と打てば白4子を取り返すことが出来、全体の白が死んでいることが分かる。

この一見取られていているがすぐに取り返すことが出来る石の形が、『石の下』と呼ばれているものだ。

 

解答図2の変化①

解答図2で、石の下を防ぐために白1と打った場合、黒2が上手い手となる。

 

解答図2の変化②

 

当然白3と黒3子をとるのですが、黒4と抜き返すことで、この場所に白の眼が無くなることが分かる。(白が黒4の一個下に打ってもカケ眼)

白5でなんとか眼を作ろうするが、黒6のサガリから黒8の放り込みが手筋で白死。

 

解答図2の変化③